個展  after the rain  
2020/4/11〜6/14  Gallery 創 / 札幌
いま降っているこの雨は一体どこへ行くのだろうか。
降った雨は、海や川の一部となり、あるいは土に浸み込み植物の成長を助け、私たちが口にする水や食料を含め日々を構成する隅々に浸透してゆく。
わたしたちは”雨”や”水”とひとくくりに表現してしまうが、その水の行き先は多岐にわたり追いきれない。
そしてその水自体に意思はなく、流されるまま世界のどこかで循環し続ける。
この作品では水の循環と、刺繍という行為の反復性を重ね合わせた。
水を繰り返し見つめてゆく中で、気づかなかった線や色が次第にじわじわと浮き出てくる。
そして、その線を追いかけてゆくと、糸が紙の表と裏を行き来しながら表からは見えないところで繋がり、絡まり合い、表面からは想像できない色や線の関係性が生まれる。
私たちの日々もその循環のなかのひとつなのかもしれない。
意思とは関係なく様々な出来事が起きて、時間が流れてゆく。
この雨が上がったら、この水は、そして私たちは一体どこへ行くのだろうか。
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